『週刊プレイボーイ』でコラム「古賀政経塾!!」を連載中の経済産業省元幹部官僚・古賀茂明氏が、日韓貿易摩擦の先行きを案じる。 * * * フッ化水素など、半導体製造に不可欠な3品目の輸出規制強化に端を発した日韓貿易摩擦の先行きが見えない。 気がかりなのは日韓双方で不毛なナショナリズムが高まっていることだ。日本では韓国をいわゆるホワイト国から除外する安倍政権の強硬策を支持する国民は7割を超えている。 また、韓国でも日本に屈しない文在寅(ムン・ジェイン)政権の姿勢が評価され、支持率が4ポイントアップして8ヵ月ぶりに5割台を回復した。しかし、これは、両政権とも弱腰な態度を見せれば支持率が下がるリスクを負ったということでもある。 お互い引くに引けず強硬策とナショナリズムの相互作用で日韓の対立がどんどん激化しているのだ。 今回の輸出規制強化は多くの点で日本に不利益をもたらすだろう。それは、輸出規制対象