トップミュージシャンとファンの関係って、以前は遠くから見守っているような感じだったけど、最近ではソーシャルネットワークで繋がったり、気軽にサインや握手に応じたり...というケースは少なく無く、ミュージシャンから積極的にエンゲージしている感じだ。しかし、Taylor Swiftほどその距離が近く、積極的にエンゲージするトップ・ミュージシャンはいないだろう。 先日彼女が投稿したビデオによると、彼女はここ1年に渡り、ソーシャルメディア上でのファンの行動を観察し、熱心なファンを抽出(若く、あまり都会的で無い女子及びゲイを選出)。米国と英国で彼等を"彼女の家!"に招待してプライベートパーティを開催した。招待者は@Taylor Nationのフォロワーであり、まず@Taylor Nationの運営会社からDMでインビテーションを受け取る。そして、パーティ当日、秘密のパーティ会場である"彼女の家!"から

タイムラインを"Ice Bucket Challenge"で占領され、その映像がゲイツやザッカーバーグなど当初のセレブによるチャレンジから徐々に普通の人々へと移行しつつある今日この頃、不謹慎極まり無い企画が放り込まれた。 Samsung Galaxy5Sがその防水性能を活かして誰からも指名されていないにも関らず、自主的に"Ice Bucket Challenge"を実施。iPhone5S, One M8(HTC), Lumia 930(Nokia)という、いずれも防水性能を持っていない機種にチャレンジするよう指名した。 ALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病を知って貰い、寄付を募るための社会的活動を宣伝に利用するとは...。ユーモアのつもりだと思いますが、ユーモアになってないですね。 ※追記1: エージェンシーはCheil UK。寄付はしているが金額は非公開。エージェンシー担当者は「意味あ

国や地域を問わず「少年少女のいじめ」は問題視されているようだ。そして、このプエルトリコの2つのビデオは社会問題に対して「いいね!」しただけで解決に貢献した気になっている私達に警鐘を鳴らしている。 ブロックショットされた少年がほんの少しからかわれただけで、バッグから銃を取り出し、ブロックショットした少年に銃口を向ける。 そして“Like! to prevent it”(この危機を救う為にいいね!を)の文字が現れ、みんなは一斉に“Like!”をクリックしただろう。しかし、次の瞬間、少年は引き金を引いてしまう...。 “Like! don't save teenagers at risk”(いいね!じゃ少年は救えない)　www.jovenesenriesgo.orgにアクセスして署名と寄付、具体的な行動を求めている。 自分たちの怠惰さに気づかされる瞬間です。 もう1本は女子高生のいじめです。 「

昨夜、友人にとても素敵なビデオ記事を紹介してもらった。New York Timesの電子版に掲載された“The Public Square”なる記事がそれだ。 ビデオを見始めると直ぐにかなりメッセージ性の強いTシャツを着た初老の男が登場する。“Everything ever needed to know about Isram. Learned on 9/11”(イスラムについてもっと知るべきだ。911から学ぼう)とTシャツに大きくプリントされていることから、この男が熱心な反イスラム主義者であることがわかる。この男の名はTerry Jones。牧師だ。彼は、911の10周年にコーラン焼却イベントを働きかけた人物で、そのイベントは失敗に終わったが、翌年には焼却を実行している。 そんな筋金入りの反イスラム主義者がTimes Squareの真中でイスラム批判演説を初めた。するとしばらくして、感動

世の中にはシェア欲しさに媚び諂うキャンペーンは枚挙に暇が無いけど、その逆の「シェアしないことを強要する」キャンペーンというのはほぼ見たことが無い。 そんな逆張り的キャンペーンを展開しているのはDiesel。1993年に販売したシューズ“YUK”の20周年モデルを販売するにあたり、“Pre-Internet Shoe”(インターネット以前の靴)と命名し、その時代の体験(Pre-Internet Experience)をしてもらうべく、3日間のFacebookへのポスト禁止、InstagramやTwitterなら2日間のポスト禁止を宣言するよう訴えている。diesel.com/yuk/で登録し、見事成し遂げると抽選で20名に“YUK”20周年モデルをプレゼントするとのこと。 ちなみに“YUK”20周年モデルのプロモーションとして「へたれパルクール」といった趣向のヴァイラルビデオをリリースしてい

世界中から有名DJが集結し、連日連夜巨大パーティが開催される世界有数のClubber's Island“Ibiza”。こんな場所がデジタルマーケティングの最先端の地になっているとはかなり意外だ。 この島にあるUshuaiaという南米大陸最南端の町と同じ名のホテルがデジタルマーケティングに積極的で、2011年にはユーザーがFacebook ConnectができるRIFDリストバンドをイベント参加者に配布。リストバンドにID情報をインプットしたユーザーがホテル内各所に設置されたポイントにタッチするだけでカメラマンが撮影した写真のシェアやチェックインなどができるサービスを提供した(当時のエントリ)。 そして、今年の夏は指紋認証で支払いができるシステムを導入し、来年には指紋認証でFacebook Connectができるシステムへと発展させるようだ。つまり、2011年にRIFDリストバンドで実施した

7/27〜29の3日間、世界75カ国から18万人のファンと400名のアーティストが参加し、ベルギーのBoomで開催された世界最大のエレクトロダンスミュージックの祭典“Tommorrowland”のアフタームービーが公開された。イベントのスケール感を物語るように公開後4日間で750万視聴を突破している。 人の数、セットや演出のスケール感。とにかく凄いスケールです。 フジロックが13万人なのでそれよりも5万人も多い。国際的な観光集客を目指す都市なら、こういったイベントがよろしいかも知れません。 ※2011のアフタームービー。何と5000万視聴!

五輪スポンサーのCoca-Colaがロンドンにパビリオン“Beatbox”をオープンさせた。Asif KhanとPernilla Ohrstedtによって設計・デザインされたこのパビリオンを覆うのは230枚のインタラクティブパネル。このパネルを触れるだけで床や平均台の上を駆け抜ける足音や卓球のヒッティング音、心臓の鼓動などのアスリートが発する様々なサウンドが出力され、DJ気分でリミックスが楽しめるという仕掛になっている。 これは昨年、DJのMark Robinsonが個々のアスリートを訪問の上録音した音源。様々な競技の選手にアプローチしている。 このプロジェクトはライブコンサートへと発展すると共にTVCMもリリースされた。 また、パビリオンの屋上に上るとオリンピックパークが一望できるとのこと。 更に、パビリオンの中では音楽と証明のインスタレーションが楽しめるようになっている。 Coca-C

DDB Worldwideと言えば世界有数の広告代理店ホールディングカンパニーであるOmnicom Groupの一員だけど、そのクリエーティブ・チーフが現在開催中のカンヌに対して激しい非難を浴びせている。彼曰く、世界の大手広告代理店グループから派遣される審査員には自社グループの作品に投票するよう圧力がかかっており、フェアな審査体制では無いというのがその内容。そして、これがしかるべき機関によって調査され、改善されない限り、DDB Worldwideは来年のカンヌをボイコットすると訴えている。 これは普通にありそうな話だし、カンヌの価値を毀損する恐れがある。そして、一番迷惑するのは日々一生懸命取り組んでいる世界中のクリエーターたちだ。疑惑がある以上、何らかの形で調査されることを期待したいです。

今の世の中を形容して「ストレス社会」と呼ぶ人は多い。よって、そのストレスを発散させるアプローチというのは受け入れられやすいハズだ。ドイツのEVOCなるアウトドアブランドはそんな所に目を付け、後方からの衝撃吸収力の高いバックパックの魅力をアピールすべくベルリン市内に“The EVOC Indestructible Billboard”(壊れないビルボード)なる広告を掲出した。 このビルボードはEVOCのバックパックのいわば「パンチングマシーン」になっている(ビデオを見る限り蹴っている人もいますが)。そして、その威力に応じて自転車用ヘルメットをかぶったお兄さんがコメントする仕掛けになっている。例えば、女・子供が弱々しく殴ったとすると「今ので殴ってるの?」といった挑発的なコメントも用意されている。 そして、この殴る蹴るのシーンはオートマティックに写真撮影されており、Facebookにポストされる

世界最大の家具見本市「ミラノサローネ」の会場の一角に設置された仮設トイレ。入ると嫌な臭いがし、一刻も早く脱出したい気分がするが、便意に負けて入らざるを得ない「あれ」だ。女の敵と言っても過言では無いだろう。 所が入ると、そこは豪華なパーソナルパウダールーム。アメニティは充実し、いい香りがし、勿論美しいトイレもある。 仕掛けたのはIKEA。つまり、仮設トイレがIKEAのショールームになっているって訳だ。仮設トイレの扉に“Free Toilet”って記されている白々しさもいい。この嬉しすぎるギャップの中にきっちりブランドがプレースメントされているというのが素晴らしいです。

国内のスポーツメーカーがNikeやadidasにに対してデザイン性やクールさで勝負を挑むというのはかなり難しいことではないかと思う。そもそものデザイン力に加え、外国勢がトップアスリートやトップチームなど、「デザインを良く見せる」媒介者に強力な布陣を要しているというのもその理由の1つだ。そうなると必然的に「技術力」「機能性」に焦点を当てることになる(こちらの勝負も大変であることは変わりないけど)。 ASICSがリリースした10本のビデオはシューズの性能を強調する「特異な製品テスト」という趣向だ。 Jackhammer 凄いクッション。アスファルトを突き破るパワーも受け止める。 Breathability 通気性をシャボン玉で表現するとは面白い。 Sink or Sprint 軽いから次の一歩への動作が素早く、水面に足を取られない。 Pasta パスタの湯切りにも使えるぐらい通気性に優れ、いつ

新旧Old Spice Guyの対決は100本以上にも及ぶビデオ対決の末、予想通りIsaiah Mustafaの勝利に終わり、今後もIsaiahが引き続きOld Spice Guyとなるようだ。Isaiah起用から2年以上経過し、改めて彼の人気を確認し、その存在感を再活性化する為の策だったようです。Fabioが新Old Spice Guyになるというニュースが出た時は「なぜ?」と思ったけど、終わってみれば納得です。 それにしても、3,4日で100本以上ビデオ(しかも即興制作!)をリリースするとはスタッフの皆様お疲れ様です。ざっと見渡した所、低くても20,000視聴、高ければ200,000視聴を突破している。延べで言うと凄まじい数だ。そもそもOld Spiceが開発したビデオレスポンス企画を今回徹底追求したにより、この方法とも「おさらば」するのではないかと思う。後は他社の物真似に任せて、新手

監視カメラに写る不審な男。でも手には何も持ってない。しかし、店を出た時にその男がLGのディスプレイの「薄さ」を利用した知能犯だということがわかる。 凄いな、この「薄さ」表現。 ※追記:店の出口にLGの薄型テレビのポスターがさりげなく貼ってある。

全身タトゥーが彫り込まれた男の肌にコンシーラー(ファンデーションのようなモノ)を塗り込み、「タトゥー無し男」へと変身させる圧巻のパフォーマンスを見せてくれたのは、コスメブランド“DERMA BLEND”。“DERMA BLEND”のコンシーラーが「簡単に」｢素早く」「綺麗に」仕上がることをお伝えしたいらしいんだけど、かなり「ぎょっ」とするアプローチだ。ちなみにこのタトゥー男はLady Gaga "Born This Way”のミュージックビデオやThierry Muglerのショーに出演したことで有名なZombie Boyこと“Rico Genest”で話題性も十分のキャスティングだ。 ファンデーションの能力がインパクト強く伝わるし、ハロウィンの仕掛けとしても面白いです。

クラバーたちにブランドを売り込みたいって思うことはよくあるけど、みんなが激しく踊り狂っている中でどうやってブランドに注目を集めるか、というのはかなりの悩み所。でも、Heinekenが試みた“Starvision”なら彼らの遊びの世界の中に自然と足を踏み入れることができそうだ。踊りに来ている人に複雑な参加の仕組みを要求するのはダメだけど、Starvisionはとてもシンプル。友人や自分の写真にメッセージを添えてTweet(またはemail)するだけだ。すると、ビデオディスプレイに写真やメッセージがクラブチックにアレンジされたデザインで表示される。スポーツスタジアムでオーロラビジョンに自分たちの姿が抜かれる様子に注目するのと同じように、例え踊り狂っていてもビデオディスプレイに注目せざるを得ないし、映れば更に盛り上がるって仕組みだ。 以前ならドリンクを配るとか、ロゴを掲出するとか、気の利いた映像

7/21のエントリーでOld Spice GuyがIsaiah MustafaからFabioに変わり、新TVCMがリリースされたことを紹介したけど、早くもストーリーが急展開を見せている。前回ご紹介した作品は「Fabioという人物の紹介」という趣向だったけど、今回はOld Spice最大のヒーローの面影を完全に消滅させるべく「Isaiahとの決闘」がテーマだ。新展開は、海辺にいるFabioの元に2本の空き瓶が漂流してきたことから始まる。そこにはIsaiahからのメッセージが入っているという仕掛けなんだけど、1本には「とってもハンサムだし、筋肉が美しい」とのメッセージなんだけど、もう1本の内容をFabioは読み上げない。「信じられないこと」が書いてあったようだ。 そしてこの“Fun Times”ではFabioこそがBest Old Spice Guyと言い放つ。 そして、遂にインターネットで決

3/25は男女の賃金格差是正を呼びかける“Equal Pay Day”らしいんだけど、そのプロモーションとしてリリースされたビデオがこちら。登場するのは全てセクシールックのお婆ちゃん。それぞれのお婆ちゃんの名前と夫との賃金格差や現在のお金環境をテロップで記しつつ、最後に“The less you earn, the longer you work. Close the wage gap”(稼げなければ稼げないほど、労働時間は長くなる。賃金格差を縮めよう)と締めくくっている。 このビデオに使われている曲は、クラブシーンでヒットしたBenny Benassi の“Satisfaction”なんだけど、そのPVで採用された、セクシー美女たちが工具を使い、そのスペックを紹介するというシュールな演出の完全なるパロディになっている。 お婆ちゃんたちに工事現場で長時間働かせない為にも、賃金格差を縮小しま

バーボン(Jim Beam)をこんな風にセクシーに愉しむシーンはかつてお目にかかったことが無く、愛に耽りたいカップルたちへの新しい利用シーンの提案として斬新だと思う(しかも、ハードリカーからは距離がある女子からのアプローチというのも意外性がある)。そして、このシーンの前後を含めたストーリーを想像させ、カップルたちがアレンジするバッファを残しているのがうまいです。

昨年最もヒットしたキャンペーンの1つ“Old Spice Man”ことIsaiah Mustafaが“I'm Back.”と宣言したのが1/20にリリースされたこのシンプルなビデオでのこと。いつものバスルームで、いつも通り上半身裸。Isaiahが相当の存在感を持っており、何もしないでも大きな注目を集めるというのが凄い。 そして、その1週間後“Super Fan”なるビデオがリリースされた。ここでは次のビデオで1人の凄いファンをフューチャーすることと、スーパーボール明けの2/7に新作TVCMをオンエアすることを、咳払いをエンジン音で表現するお茶目な演出で発表した。 次いで、2/3にビデオ“Phone Call”公開された。“Super Fan”である16才のChris GatewoodにIsaiahが突然直電するという仕掛け。これは、昨年秋にChrisがOld Spiceの大ヒットCMのパロ