京都府舞鶴市で08年5月、当時15歳の小杉美穂さんが殺害された事件で、殺人罪などに問われた無職、中勝美被告(64)の控訴審判決で、大阪高裁(川合昌幸裁判長)は12日、無期懲役とした1審・京都地裁判決を破棄し、被告に無罪を言い渡した。被告側は無罪を主張し、検察側は死刑を求めていた。 凶器などの物証がなく、状況証拠の評価が争点となった。1審は▽事件発生に近い時間に被告と被害者が一緒にいたという目撃証言▽被害者の遺留品の特徴を述べたという捜査段階の被告の供述−−など、検察側が示した状況証拠から有罪を認定できるとした。 今年6月から5回開かれた控訴審で弁護側は▽目撃証言をした男性の説明が変遷している▽捜査段階の被告の供述は誘導されたもの−−と指摘し、改めて無罪を訴えた。検察側は「1審に事実誤認はないが、死刑が選択されるべきだ」と主張した。 1審判決によると、被告は08年5月7日、京都府舞鶴市