ブックマーク / fish-on-ice.hatenablog.jp (688)

  • タイヤ交換エレジー - 氷の上のさかな

    庭先からぶつぶつと話し声が聞こえてくる。なんのこたぁない。嫁の独り言だ。話かけられていると勘違いし返事をするも、それが独り言だったりすることがある。故にややこしいので独り言は1人の時に言えと言い渡してあるのだが、きっと言うことを聞いてそうしているのだろう。 と思いきや、 「お父さん、私のタイヤどこ?」 と名指しで呼ばれた。オレはお前の様な娘を持った覚えはない。それはともかく、独り言だと思っていたら今回は独り言では無かった様だ。当にややこしい。 これがつい先日のこと。 どうやらスタッドレスからノーマルタイヤへの交換を自分で試みようとしているらしい。 「えぇ~と、どこだったっけ?」 沈思黙考の末、とんでもないことに気がついてしまった。昨年、中古で買った乗用車だが、当初から履いていたのがスタッドレスタイヤだった。冬場だったということもあり、ちょうどいいやとその場は思ったものの、その後のことは全

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  • テンションageageで行ってみよう! - 氷の上のさかな

    何でもかんでも新しいものが良いというわけではないが、たまには新しいものが欲しくなることがある。この場合の新しいは新品ということなので念の為。つまり新しく出会った相手が自分好みの熟女だったという美味しい類いの話ではない。 小出刃、つまり出刃包丁のミニサイズのものが欲しくなった。欲しいとはいってもおねだりして貰えるものでもない。当然、買うわけだが、ひとこと包丁とはいってもその銘柄はごまんとある。それこそ5セットで何千円から1うん十万円もするものだってある。そんなのは買えん。そこで予算と照らし合わせネットでとことん検索してみる。すると柄がアルミで出来た全身メタリックな包丁が目に飛び込んできた。 一目惚れした。産地はどこだと見てみたら、ありゃ、お隣もお隣、関市じゃないの。関市といえば刃物の街として知られ、ドイツの「ゾーリンゲン」やイギリスの「シェフィールド」と並び世界3大刃物産地と呼ばれている

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  • 実にいのちあるものどもには、かかる定めがある@仏陀のお教え - 氷の上のさかな

    大阪府と掛けまして~、はい大阪府とかけまして、閉館した志摩マリンランドと解く。ほほぉ~、志摩マリンランドかいな。ほんで、そのこころは?マンボウの行き先が心配です。なるほど!キミ、中々上手いな。 はい、今は亡き「夢路いとし・喜味こいし」調の巻頭文はここまでです。それにしても魚じゃない方の「マンボウ」はどこにアクセントを置けばすっきりとするんだろう? どうやら岐阜県にも第4の波がすり足で近寄ってきている感がある。あれだけ歓送迎会は慎みなさいと大きく言われていたにも関わらず、3月末日の夜は花束を抱えた酔客が街中をうろついている姿がやたらと目立った。まぁ、花束を持っているから目立つのであってそうでなかったらただの酔客に過ぎないんだけど。 たむろをしているのは全般的に若者が圧倒的に多い。ってゆーか、若者しかおらん。何歳から何歳までを若者と呼ぶのかはこの際、置いといてだ、見た目だけで判断するならばつま

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  • 春は何かと物入りなんざんす - 氷の上のさかな

    4月に突入した。ということは、極めて身近なところで娘たちも進級進学ということになる。更に身近なところでは、メニュー価格の総額表示が義務付けされる。これがもう、泣きたくなるくらい大変で、昨日などは朝っぱらから開店までの間、ずーっと新たなメニュー作りに追われていた。目が死ぬほどに痛い。死なへんけど。 そろそろ長女の進学の進学の準備をしなくてはいけない。具体的には学校へ通う為のシューズに背中に背負うことが出来るバッグだ。ネットでちょちょいと入手することも考えたのだが、なにせおチビのお姉ちゃんだけに下手をすれが小学校1年生が如くランドセルが歩いているかの様に見られてしまうだろう。別にそう見られても何ら問題はないのだが、心情的に申し訳なく思ってしまう。 というわけで実際に手に取って見ることが出来、両方を一度に入手することが出来る岐阜が生んだ日のスポーツ店「ヒマラヤ」へと向かった。約40年前にもなる

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  • 「MOCHI ROLL WITH SALTED RED BEANS」だぜベイベー!! - 氷の上のさかな

    SNSで話題沸騰しているという、「塩豆大福仕立てのもち感ロール」を買ってみた。 話題沸騰ということで売り切れ続出を懸念していたのだが、すんなりと入手することが出来て拍子抜けした。言い忘れたがLAWSONスイーツだ。 税込み380円で6個入り。もった感じは意外とずっしりしており、全てを1人で消費するには罪悪感が伴う。なにせダイエット中だ。ならば買って帰って娘たちと分け分けしよう。ここまでは市場からの帰りの出来事だ。 帰宅すると学校の体操服姿の次女がいる。 「あれ?部活?火曜日は休みって言ってなかったっけ?」 「月、火、水が部活」 だそうだ。ならば部活から帰った後の楽しみにしよう。出勤前の嫁がまだ自宅にいたので見つからない様に取り敢えず自室に持ち込んだ。要冷蔵とあるが少しの間ならば大丈夫だろう。 春休み中だが自分が休みでもない限りは自宅で事を済ませる。3人揃って事を済ませると、さていよい

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  • お花見ソロランニング - 氷の上のさかな

    雨上がりの朝は霧がすごかった。市場へは長良川沿いの堤防を抜けて向かうのだが、川からは隔たりがある国道にも靄が立ち込め視力が及ぶ範囲は30m程だったろうか?実際の距離はもっとあったかも知れないが、車を走らせているとどうしてもその様に感じてしまう。 とはいえ、普段から白内障で靄が掛かった状態には慣れているので、たかが霧程度では自分のドライビングテクニックはびくともしない。と思いきや、靄の前に靄が掛かって余計に見えんやん。仕方なし、ハンドルを両手で握りながらフロントガラスに顔を近づけ出来るだけゆっくりと車を走らせた。片側1車線の堤防上では案の定、煽られたことは言うまでもない。 早朝から13℃を超す生暖かい一日の始まりだったが、午前11時には既に20℃を超え予報どおり夏日となる勢いだった。折角、満開を迎えた桜だが、前日の雨が花散らしにならないかとやきもきした人が沢山いたのではないかと思う。でも自分

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  • 因縁の岐阜ソウルフード(自分は食べてないけどね) - 氷の上のさかな

    二週続けての雨の日曜日。洗車を諦めさせてくれたことに感謝はするが、アクティビティな活動に制限をもたらした事には大いに抗議&罵倒をさせて頂く。ざけんなよ。 とはいえ、連日の激務に疲弊した我が身を癒すのには絶好の日和と言えるのかも知れない。午前中はこれでもかという程にダラダラと無為な時間を費やした。 午後も1時を過ぎたが、まだ雨は止む気配を見せることはない。腹を空かせた娘2号が耐えきれなかったを見え、先日、買ってあげた洋服を身に着けそれをお披露目するかの様に昼飯の催促に自室までやって来た。 「よし、そろそろ出かけるか」 どちらにせよ、昨日中にやっておかねばならない買い物が控えていた。で、その前に腹ごなしをば。 目的地までの半ばに、岐阜に於いては超メジャーな蕎麦屋から、暖簾分けをされた店がある。親の店名は「更科」だが、こちらの方はググると頭に「信州そば」が冠せられ、「信州そば 更科」となってはい

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    akmuzifal6489
    akmuzifal6489 2021/03/29
    各務原にも支店(?)がありますね。名前からして由緒正しい蕎麦屋かと思いきや、入るとカレー臭(加齢臭ではないですよ!)がしたので、ひどく違和感を覚えた記憶があります。これが岐阜県民の味だったのですね。😃
  • 物理的に原価0円の行為 - 氷の上のさかな

    市場からの帰社時刻が子ども達の通学時間と被る為、なるべく子ども達が通らない道を選び車を走らせるのだが、それでも出会ってしまう時がある。昨朝の出来事、JR岐阜駅のざっと裏辺りを車で走っていると、信号のない横断歩道に小学生の女の子がいたのが目についた。あまり知られていない、というかドライバーの勉強不足から来るものなのか、こういった場合は一時停止をして歩行者の進行を妨げない様にせねばならないにも関わらず、停止しないドライバーがあまりにも多い。 勿論自分はマナーとモラルが服を着て歩いている様な人間なので、いたいけな小学生女子が横断歩道で右往左往している姿をそのまま放置しておくことなど出来るわけがない。一応言っておくがけしてロリコンというわけではない。そんなことはどうでもいいが、当然のこと一時停止するわけだ。すると彼女はそれを確認すると、此方に向けて深々とお辞儀をして横断歩道を渡り始めた。 「うわぁ

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  • パーフェクトコミニケーション - 氷の上のさかな

    中学を卒業した長女「あん子」だが、お次は4月8日に入学式というイベントが待ち構えている。ただ、それまで何もすることがない。昔からよく寝る子ではあったが、午前中はほぼ睡眠時間に費やしている。その所為で夜は寝られないかといえば午後10時には熟睡している。車でドライブに行けば車の中でも直ぐに寝る。赤ん坊の時からそうだったが寝かしつける苦労をさせられたことは全くない。 それに引き換え次女「あづ紀」の方は事ある毎に大声で泣き散らかしやがるもんだから、嫁の実家の義父母に「うるさいから連れて来んといて」とまで言われたほどだ。大きくなってからもそれは変わらず、泣くことは無くなったものの、口を開けたら話が止まらない。それも大声だ。辟易とした坊主にいつも「だまれ!」と嗜められている。その光景は見ていてなかなか面白い。 市場の仕入れが終わり一時帰宅するも当然、あん子は寝たままだ。あんこは寝かせるとカレーの様に美

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  • 涙のソロキャンパー - 氷の上のさかな

    漫画「神の雫」に登場する人物にロベールという老人がいる。彼は大変な資産家なのだが、自分の土地を公園として開放し、尚且つそこにダンボールハウスを建て、まるでホームレスの様な生活を送っている。ダンボールハウスに「建てる」という表現が正しいのかどうかはさておき、いわばその様に自然と共生した暮らしというものが羨ましく感じられた。あくまでも漫画の中の話だが。 ソロキャンプというものが流行っている。なぜ今になってソロキャンプという言葉が出だしたのかは知らないが、それ以前から普通に行われていたことだと思う。それはともかくとして、そのソロキャンプをより自由に楽しむ為、山もろとも購入し尚且つ開拓し、自分専用のキャンプ場を作ってしまう人もいるとか。それはそれでまた羨ましい話だとは思うのだが、憧れはするものの自分にはまだまだ無理だろう。 だって、ソロキャンプどころかキャンプが出来る道具など何一つ持ち合わせてない

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  • オー!マイキーな「濃いめのレモンサワーの店」 - 氷の上のさかな

    明日は市場が休みだ!さぁ、飲むぞ! ということで、帰宅途中にいつもの掛かりつけスーパー「西友」に寄った。24時間営業というだけでこの上なく素敵。やはりもつべきものは友よりも「西友」だよね。いくらここで持ち上げてもメリットは無さそうなのでこれにて打ち切り。 時刻は深夜も12時を大きく回り12時30分だ。もはや明日じゃねぇじゃん!仕切り直す。 今日は市場が休みだ!さぁ、飲むぞ! 市場が休みなのにも関わらず、朝も早よからPCに向かいパチパチとキーボードを叩いているオレってどうなの?正直に打ち明けます。ただいま、ほろ酔い状態です。まぁいい。いや、ちっともよくない。早く寝ろよ。いや、寝ていたんだけど起きちゃったんだよね。それも職業から来る習慣と諦めるしかなさそうだ。 で、西友に例によって例のごとく酒を買いに行ったわけ。お目当ては主に缶チューハイだったのだが、いつもは西友のPB商品を買い求めている。お

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  • きれいきれいしましょ♫ - 氷の上のさかな

    「明日」の持つ意味は「あけぼのよりも明るく既に夜が明けた状態」のことだそうだ。では枕草子に倣っていってみよう! 「春は明日」。なんだそれ。明日どころか昨日の話になる。その「明日」である午前8時。岐阜県を代表する有志が駅前に集い一斉清掃を行った。定期的に月イチ第3水曜日に行っていたのだが、ほら、緊急事態宣言が発令している最中に、例え世のため人のための清掃活動だとしても集結すること自体、よくはないだろうということで先へ先へと延ばしていた挙げ句、なんと3ヶ月も経過してしまった。つまり3ヶ月ぶりの清掃活動となる。 普段は繁華街を中心に活躍するメンバーで行うことが多いのだが、今回は装いも新たに新メンバーが加わった。ゆーてもスポットですが。岐阜には既に「FCぎふ」というプロサッカーチームが存在するが、この度、新進気鋭のサッカーチームとして新たに「FCボンボネーラ」が加わった。その選手たちが清掃活動に加

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  • 韓国料理店「オモニ」で孤独の…、じゃなく『1人プルコギ』 - 氷の上のさかな

    バットを立ててグリップに額を当て、そこを支点にグルグルと3回転もすればきっとその場でひっくり返り最悪、胃の中のものをぶちまけてしまう程に三半規管には自信がない。 要するに目まぐるしい毎日を送っていると言いたかったのだが、目まぐるしいはあくまでも「目が回る様だ」という意味なので実際に目が回っているわけではないから念の為。そんな中、すっかりと忘れてしまっていたのだが、先日「オモニ」という韓国料理屋のランチに娘たちと共に行ってきた。 きっかけは、そこで働く男性スタッフが自分の職場に来店してくれたことだ。 駐車場に車をとめハッと気づく。 「あ、財布忘れた」 「なにやっとんの、もう!」 扶養家族の次女に散々罵倒される。そこへたまたまNが通りがかった。 「おい、べに来てやったぞ。ただ、財布忘れた。PayPayって使える?」 「使えます」 ということで危うく昼難民となるところをPayPayのお陰で助

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  • リバティなナイスミドルは簡単に落とされる - 氷の上のさかな

    アイロンは自分でかける。 それが戦闘服、つまり制服ならば尚更だ。 ま、正直それ以外の服にはアイロンなどかけないけどね。なにやら聞くところによればイタリア男子はシャツはおろかḠパンからTシャツ、果ては下にブリーフまでにもアイロンをかけるのだとか。自分は見た目イタリアンな日人だがさすがにそこまでは出来ない。いついかなる時ももろパンで臨戦態勢が取れるという、心構えの表れなのだろう。イタリア人のお洒落意識の高さには脱帽だ。ただ、肝心なのは下着姿よりもその中身だという意識は恐らく日人の方が上を行くと思う。 まるで「青絵の皿」を見る様な美しい柄だと思わないかい?着る人が着れば正月に伊奈波神社に並ぶ露店でたこ焼きを焼くおっさんに見えないこともないが、中身がこのオレだよ、オレオレ。この最強アイテムと一緒だと、場末の居酒屋が華やかなレストラン&バーに瞬時に成り代わる、んなわけねーだろ。 ま、とにかく自

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  • iPhoneよ、何処へ~ - 氷の上のさかな

    職場に着き初めて携帯電話がないことに気がつく。ひょっとして車の中に置き忘れたか?たまにサイドボードの上に置くこともあるからだ。そして置いたままドラッグストアなどで買い物をし、PayPayで支払いを済ませようとしてそのことに気がつくことが多々ある。今回もそれを期待して駐車場まで戻り車の隅々まで探すもとうとう出てこなかった。 確かにパンツの左後ろのポケットに入れた記憶がある。どこかで落としたか?いつもの様に上着の胸ポケットに入れておけば良かったと後悔するも後悔先に立たずだ。常用しているジャケットの胸にはほぼ携帯電話専用のポケットが施されている。 自宅に忘れてきたのかも知れない。たが確認を取ろうと思っても家人はひとり残らず不在だ。仕方がない。次女の帰りを待つとするか。職場のPCから次女にLINEでメッセージを送る。 「iPhoneを家に忘れたみたい。お父さんの部屋にあるかな?」 すると1時間16

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  • ときめきと焦燥の初「スタバ」 - 氷の上のさかな

    そういえばスタバ、わからない人の為に略さずいうと「スタアバックス」に行ってきた。ただ行っただけではない。店内に入りくつろいで来たのだ。 ふふふ、想像に反した内容でごめんね。外から観ただけで満足出来たならばそれはもう、一流のスタア馬鹿もとい、スタアバッカーと呼ばせていただいても差し支えないレベルかと思う。ただ自分は二流どころか三流に毛が生えた程度なのでとてもとてもその様な方々の足元にも及びませぬ。 で、その三流にどこの毛が生えているのかわからないレベルの自分が、あろうことか女性をエスコートしてきたわけだ。ま、女性っつーっても一親等の二名だけど。 いつのことだったか記憶の片隅にも残ってない大昔、なにかを成し遂げたご褒美にスタバに連れて行ってあげるという約束を次女と交わしたことがあった。それがやっとの思いで履行されることになったわけだ。 最寄りのスタバはニトリと併設されており、駐車場は共有されて

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  • 人生始めての高級食パンとの出会い - 氷の上のさかな

    不覚にも二度寝をしてしまった市場の休場日。最近は深夜までの業務なのでたまにはこんな事があってもいいよね。いつもは多くて4時間しか寝られてないんだから。 次女がそろそろ家を出る頃だ。顔が見られれば必ず「いってらっしゃ~い」と言う様にしている。布団から出て台所に向かうと、嫁が自分の姿を見つけビクッと驚く。 「なんでおるの?」 「なんでって休みだから」 「あれ?今日は何曜日?」 「水曜日」 「あ、そうか。ごめん、コーヒー淹れてない」 市場ではコーヒーが飲み放題なので、仕入れがある日は自宅で飲むコーヒーは必要がない。自分は朝一のコーヒーが無いと身体が震え呂律が回らなくなり幻覚症状が起き被害妄想に走るのだ。なわけない。 「いいよ。自分で淹れるから」 それくらい自分でも余裕で出来る。 「朝ごはん、それでいい?」 「それって?」 「それ」 どうやらチラシの上に置かれたパンのことを言っているみたいだ。

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  • 『あんまん』にこだわる - 氷の上のさかな

    市場での仕入れを済ませ一旦、帰宅すると、嫁が無言で小袋を渡してきた。 「なんや、これ?」 「朝」 「いや、そうじゃない。中身がなにか?と訊いてる」 「あんまん」 あんまん? 「なに?オレに朝から『あんまん』をえっていうのか?」 「嫌ならやめとけば」 「いや、別に嫌じゃないけど」 「じゃ、なに?」 「なんでもない」 無類のあんこ好きだからにして、当然『あんまん』も大好物だ。ただ『あんまん』に朝のイメージはない。 「これ冷たいんだけど」 「冷蔵庫に入れてあったから」 「このままべるのか?」 「嫌なら温めれば?」 未だかつて冷たい『あんまん』というものをべたことがないので、嫌かどうかは自分でさえもわからない。ひょっとしたらそこにとんでもない発見が潜んでいる可能性も無きにしもあらず。 「温めて」 「けっきょく温めるんかい」 冒険よりも無難な道を選んだ。改めて温めてもらった『あんまん』にか

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  • 金生山明星輪寺(こくぞうさん)で大の大人が遊ぶ - 氷の上のさかな

    自分はスギ花粉症だと思っていたのだが、人に聞けば目は痒いし鼻が詰まるは頭が重い、故に外にも出たくない、とこの様に耳にすることから、極めてライトな花粉症なのだと推測する。正直、外に出ると涙は止めどなく溢れるものの、目が痒いだの鼻が詰まるといった症状は見られない。重度の花粉症の人は当にお気の毒に。と言いつつ鼻でせせら笑い今日も明日もお外に遊びに行っている。 赤坂の地名はなにも東京にあるだけではない。岐阜県にも大垣市に赤坂という地名がある。江戸時代には中山道の赤坂宿があった場所だ。なるほど、訪ねてみると建物こそ現代風に変わってしまってはいるが、当時は宿場町だった面影をしっかりと残している。 そこに「金生山」という山がある。通称「きんしょうざん」、正式には「かなぶやま」という。標高217.1mの山だが、日一の石灰岩生産地ということで山の大部分が削り取られている。その山の山頂にあるのが「金生山明

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  • 店でのこと(若い男女のグループ編) - 氷の上のさかな

    暫く現場の仕事からは遠ざかっていたので、果たして復帰したところでただの足手まといになりはしないかと多少の心配もあったのだが、いざ服装を整え包丁を握るとまるで包丁に魂が宿ったが如く縦横無尽に暴れまくったら通り魔やんけ!じゃなくて、ちゃんと上手に魚もおろせるし刺身が引ける現実に感謝している。 今のところ立ち仕事が辛いとか体のあちらこちらが痛いとか、悲鳴をあげる状況に至ってないのは、日頃からランニングやトレランで鍛えている賜物だと勝手に思っている。昨日も午前中の僅かな時間をぬって裏山をトレイルして来た。 男女6名の来客があった。とはいえ紅一点。皆、二十代と思われる若さだ。「Go To Eat」の事務局からは、4名以上の会はお断り下さいと連絡があったが、放っておいたら坊主にでもなりかねない状況にお断りすることは出来ないだろう。 聞こうとしなくても聞こえてくる内容は終始エロトークだったが、これもあ

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