芳文社から発行される漫画雑誌「まんがタイムきらら(以下、「きらら」)」をご存知だろうか。それまでは主にサラリーマン向けの漫画を刊行していた芳文社から創刊された、萌え要素を前面に打ち出した漫画雑誌である。 2023年現在、「きらら」発のヒット作が連発し、メディアミックスが積極的に行われて漫画界を席巻している。さらに、『ぼっち・ざ・ろっく!』の作者のはまじあきのように、少女漫画雑誌から「きらら」に発表の場を移してヒットを飛ばした例もある。漫画家にとっても活動の場として無視できない存在になりつつある。 だが、「きらら」は創刊当時、漫画愛好家からは決して高い評価を得られていなかった。「同人作家が描いた漫画じゃないか」「かわいい女の子が出てくるだけだ」「読めるレベルではない」などと、ネット上でたびたび批判されていた。「きらら系」という言葉も、どちらかといえば否定的な意味で用いられていた。 そんなイメ
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