「同性愛者には死刑を」と看板を持った同性婚に反対する人と、悪魔に扮して踊る賛成派。後ろに見えるのは米国の連邦議事堂=3月26日、ダニエル・デシモーン氏撮影米連邦最高裁の判事たち。前列中央に座るロバーツ長官を挟み、左からトーマス、スカリア、ケネディ、ギンズバーグの4判事。後列は左からソトマイヨール、ブライヤー、アリート、ケーガンの4判事=AP ■特派員リポート 中井大助(ニューヨーク支局員) 同性婚は権利として認められるのか。米国で世論を分けてきた問題をめぐる訴訟の弁論が3月末、米連邦最高裁で行われた。その内容に照らし、判決の見通しについて考えてみた。 訴訟の内容に入る前に、米国での同性婚の歴史と状況について、触れたい。同性婚が最初に世界で認められたのは、2000年のオランダとされる。米国でも1990年代ごろから法律的な同性婚を求めたり、逆に禁止したりする動きが活発になり、政治的なテーマ