前編で見てきた国家的サポート以上に、スウェーデン人パパたちを力づけている何かがある。実際に会って感じたことだが、彼らは「主たる保育者」になる素質を多分に持っている。オープンに感情表現ができるだけでなく、「育児は女の仕事ではなく、人間の仕事である」という信念を強く持っている人が多いのだ。 私はヨナスに、自分が専業主夫パパだった頃の話をした。当時私は、自分が「男らしくない男」と思われることに悩み、人生でいちばんつらく暗い時期を過ごしていた。話を聞くヨナスの顔には、当惑と憐みの表情が浮かんだ。 私は、男性誌「ローデッド」の編集長として8年間ロックな生活を送っていたが、息子の世話をするため、2011年にその職を辞めた。24人からなるチームを率いて、数百万ポンドのお金を動かし、セレブたちとパーティーに明け暮れる生活を終わりにして、1歳になったばかりの息子の「主たる保育者」となった。1年間の育休を終え