厚生労働省は6日、世帯ごとの所得格差に関する2017年調査の結果を発表した。格差を示す指標は、過去最大だった14年調査からわずかに改善したが、ほぼ横ばいだった。厚労省は「景気好転で所得が増え、格差拡大に歯止めがかかった」と評価している。だが依然として高水準で、格差が縮まらない実態が浮き彫りになった。収入がなく老後生活を年金に頼る高齢者世帯は増加しており、今後格差が拡大に転じる可能性もある。 指標は「ジニ係数」と呼ばれ、0~1の間で1に近いほど格差が大きい。税金の支払いや公的年金などの社会保障給付を含まない「当初所得」のジニ係数は0・5594だった。