「性犯罪では、被害に遭った人は『一生苦しむ』と言われたり、ときには『魂の殺人』という表現で語られたりします。それは一部事実だけど、本当ではありません。人には、戻る力もあります。私も一時は“先生”や“札幌”という言葉を聞くのもひどく苦痛でしたが、変われました。周囲の支えや法律に守られることによって立ち直れる事実を、私の体験を通じて知ってもらいたいのです」 フォトグラファーの石田郁子さん(43)が、信頼する教師から「性暴力」を受け始めたのは、札幌市の中学に通っていた15歳のとき。ずっと「恋愛」だと思い込まされてきて、それが「犯罪」であったと気付いたときは37歳になっていた。 児童・生徒への教師による性暴力が後を絶たない現状がある。文部科学省によると、’19年度に性暴力やセクハラで処分された公立小中高などの教職員は273人で、過去最多だった前年度とほぼ変わらぬ多い数だった。このうち121人が、性