今回のチベット暴動で中国が責められるのはあらためて言うまでもないところだろうし、その部分は多く語られてもいると思う。以下は、中国側に立って中国を擁護したい意図ではない。また意図的に陰謀論的な話の展開をしたい趣味もない。だが、事態が十分に報道されていないこともあり、気になっているといえば気になっていることがあるので、基本的には備忘として手短に書いておきたい。 まず今回の暴動のタイミングについてだが、この3月10日はチベット民族蜂起49周年にあたる。インターネットを検索すれば誰でもわかることだが、この記念日には毎年世界各地で平和行進が行われ、ダライ・ラマによる声明が発表される。チベット現地におけるその活動は不明だが、この日が重要な意味を持つことは当然予想されるし、暴発があっても不測の事態とは言えない。1989年のラサ暴動の記憶も当局側で消えるはずもないので、中国当局はなんらかの暴動は予想してい