The Looming Tower: Al Qaeda And the Road to 9/11Lawrence Wrightこのアイテムの詳細を見る 9/11から来週で5年になるが、あの事件についてはいまだにわからない部分が多い。特にわからないのは、なぜ彼らがアメリカに対してあれほど強い敵意を抱くようになったのかということだ。本書は、それを1940年代に渡米したエジプト人、クートゥブから説き起こす。彼はアメリカに憧れたが、挫折して故郷に帰り、イスラム原理主義の運動を起こした。こういう西洋に対するアンビバレントな感情は、非西欧圏の知識人には共通のものだ。それが日本などではナショナリズムになったが、近代化に失敗してオスマン帝国の崩壊したアラブ世界では、宗派にアイデンティティを求める原理主義になったわけだ。 イスラム原理主義の標的は、当初はエジプトのムバラク大統領やアフガニスタンのソ連軍など