2006.11.17 トコロテンの議論。 (5) カテゴリ:ヒラカワの日常 岩井克人と三浦雅士の対談『資本主義から市民主義へ』では 否定と抑圧という言葉がひとつのキーワードになっている。 目の前に食べ物がある。 しかし、何らかの理由で今これを食べられない。 食べられるけど食べられない。 これが否定である。 食べることを我慢することを強いられている。 これが抑圧である。 そして、この否定と抑圧が、 将来においてこれを食べるという時間を生む。 同時に、否定と抑圧の裏返しが欲望を作り出す。 岩井克人は三浦雅士にうまい具合に誘導されてフロイト=ラカン的な人間論を、人であってモノであり、モノであって人である法人論という形で敷衍しているように見える。 大変にスリリングで、興味深い議論が展開されている。 一見ただ、屁理屈をこね回しているように見えるかもしれないが、俺にはあたりまえの議論であり、人間と社会