イタリアでは日本食の代名詞といえば「SUSHI」だった。でも今、ミラノやローマの街角で、ファッショナブルな大人たちが列をなす先にあるのは、魚の握りではない。湯気を立てる一杯の「RAMEN」だ。一過性のブームを超え、イタリア人の食文化に深く浸透しつつあるラーメン。さらにはスーパーの棚を埋め尽くすカップ麺やインスタントラーメンの普及まで、なぜパスタの国の人々がこれほどまでに日本の麺料理に心酔するのか。その裏には、日伊両国に共通する「食のDNA」と、現代イタリア人が求める新たな食の体験が隠されている。 イタリア料理の根底には、肉や野菜をじっくり煮出した「ブロード」の文化がある。カッペレッティ・イン・ブロード(スープ入りの詰め物パスタ)のように、イタリア人にとって熱いスープに麺が泳ぐ姿は幼少期から慣れ親しんできた。 しかし、現代のイタリア料理において、このブロード文化は家庭からレストランの厨房へと

