出産とはそもそも極秘ではないのか安藤美姫の出産をめぐる一連の報道は、女性アスリートへの眼差しの粗雑さを改めて突きつけたが、最大の違和感をまずひとつ投げておきたい。「極秘出産」「実は産んでいた」とのタイトル記事が横並びしていたが、そもそも妊娠・出産というのは事前・事後に近親者以外の不特定多数に伝えておかなければならない事項なのだろうか。むしろ、あらゆる物事の中で、これほど個々人の裁量で情報伝達の度合を管理して構わないものはないのではないか。父親が公表されていないという一点を具材に、いろんな矢を放ってよし、との判断だったが、この根本が抜けていた。妊娠・出産報告のタイミングは他人から指図されるものではない。 加えてこれまた深刻だったのは、週刊文春WEBの「安藤美姫選手の出産を支持しますか?」アンケート騒動以降、報道の方向がキレイに180度転回したこと。「父親は誰だ?」「第三の男浮上?」と外野から