いい加減なノート。やっと立岩理論の意義と限界が見えてきた感あり。 ============================ 昨今の「市民社会」ブームの中ではほとんど忘れ去られていた、戦後日本マルクス主義の一ウィングとしての「市民社会派」はマルクス『経済学批判要綱』の用語法で言うところの「領有法則の転回」を資本主義理解の鍵となし、「労働に基づく領有」から「蓄積された労働=資本に基づく領有」への転回を、本来の市民社会からその頽落形態としての資本主義社会への転化の本態と考えた。そして剰余労働の搾取に基づく資本主義社会は否定しても、「労働に基づく領有」を基軸とする市民社会は肯定しようとし、そこにおける所有をマルクスの用語法に従い私的所有とは区別される「個体的所有」と呼んで、社会主義革命をその再建、すなわち所有の否定ではなく変容、本来のあり方への回帰として理解しようとした。 このような理解に対して、