年間に約50万個が売れる人気の駅弁「ひっぱりだこ飯」。材料のタコには長く兵庫県産を使ってきたが、史上最悪の不漁を受け、やむなく大部分が県外産に切り替えられた。幕を開けたばかりの今シーズンの水揚げに、関係者は期待をかける。(長尾亮太) 弁当製造販売の淡路屋(神戸市東灘区)の看板商品で、明石海峡大橋の開通を記念して1998年に発売した。タコつぼを模したユニークな容器で「昔からタコつぼ漁が行われてきた明石の歴史を伝える役割も担う」(柳本雄基副社長)。 発売後、まずは首都圏のビジネス客が関西への出張帰りに買うお土産としてヒットし、続いて地元関西でも知られる存在になった。 材料のマダコは、明石沖を中心とする播磨灘で取れたものを県漁業協同組合連合会から仕入れていた。ところが昨夏は記録的な不漁。これを受け、材料の85%前後を昨年10月から長崎や岡山産に切り替えた。 「まさかこんな不漁になるとは」と柳本副