7月23日の講演で、中曽日銀副総裁は物価に関して次のような発言をしていた。 「予想物価上昇率」というのは耳慣れない言葉かもしれませんが、人々が先行き、どの程度物価が上昇すると見込んでいるかという予想を意味するものです。」 ここで気になったのは、わざわざ「耳慣れない」という表現を使ったことである。予想物価上昇率という用語は一部の経済の専門家が利用するものであり、一般には馴染みがないもの、との認識の上での表現であったのであろうか。 予想物価上昇率や期待インフレと呼ばれているものはいったい何なのか。これについては私もこれまでも何度かコメントしてが、いまだに良くわからない。人々が次回のオリンピックで何個、金メダルが期待できるのか。それを数値化すれば、期待(予想)金メダル獲得数がわかり、金メダルの数はそこに収斂していく、といったものなのであろうか。 「わが国では、15年近くデフレが継続したことにより