【モスクワ=貞広貴志】ロシアの国営原子力企業ロスアトムは4日、10年前に日本から供与された低レベル液体放射性廃棄物処理施設を、福島に回航するよう日本政府からの要請を受けたと明らかにした。 福島第一原発の汚染水流出対策に充てるもので、ロスアトムは、「1週間で移送する用意がある」と話している。 福島への回航が検討されているのは、日本政府が2001年にロシアに引き渡した処理施設「すずらん」。退役したロシアの原子力潜水艦を極東ウラジオストク近くで解体した際、液体放射性廃棄物が日本海に投棄されるのを防ぐため、供与された。船に似た浮体構造のため移動可能で、年間7000立方メートルの処理能力を持つ。