食の研究を始めて、もう20年以上になる。大学の食の研究室でずる賢い実験をおこなうこともあれば、アメリカの学校のカフェテリアにいる子どもたちや、毎年開催される熱狂的な食べものの祭典にやってくる人たち、さらには国際宇宙ステーションの宇宙飛行士たちといった人々に、研究室で実験をおこなうこともある。 実験を通じて、驚いたことに、これまで自分が真実だと信じていたことは、ことごとく間違っていたことがわかった。 なんと、ダイエット業界の三本柱である「ダイエットは成功する」「ダイエットは体にいい」「肥満は死を招く」まで…。実際には、ダイエットに成功はないばかりか体に悪く、肥満は死に繋がらないことがわかったのである。(「はじめに 『意志力の神話』が通じない健康と食の科学」より) こう記している『一流のコンディション』(トレイシー・マン著、佐伯葉子訳、大和書房)の著者は、ミネソタ大学健康心理学教授。カリフォル