スーパーコンピュータとゲーミング関連技術の交わりが社会の発展につながっていく――。コンピュータエンターテインメント協会(CESA)が8月23日から25日まで開催した「CEDEC2022」。その最終日の基調講演には、理化学研究所・計算科学研究センター長であり、学生時代はゲームエンジニアとして活躍していた松岡聡さんが登壇した。 松岡さんは日本のスパコン開発をリードするキーマンの1人。4月には計算機科学研究への功績が評価され紫綬褒章を受章した。講演では自身の経歴やスパコン開発の歴史に触れながら、ゲームエンジニアの活躍が社会変革を支えるイノベーションにつながる可能性があるとして、聴講者にエールを贈った。 スパコンの開発方針は「単騎の性能」より「集団の力」に 松岡さんはまず、スパコンの進化の歴史を、マイクロプロセッサを使ったパーソナルコンピュータ(PC)の進化の過程と併せて解説した。「初期のスパコン