チョウチンアンコウの仲間が深海で交尾をしている、きわめて珍しい光景が撮影された。 映像は海洋科学の振興を目的とするNPO、レビコフ=ニジェレル財団が撮影、学術誌「Science」のオンライン版に公開された。北大西洋の水深800メートルの海中を、ヒレナガチョウチンアンコウの1種であるCaulophryne jordaniのメスが、ゆらゆらと泳ぐ様子が写っている。よく見ると、小さなオスがメスのお腹にぶら下がっている。(参考記事:「豪州沖の深海生物:“毛深い”アンコウ」) このミステリアスな深海魚が生きたまま見つかることはほとんどない。写真家のキルステン・ヤコブセン氏とヨアヒム・ヤコブセン氏は、2016年8月にポルトガル領アゾレス諸島のサンジョルジェ島付近で5時間にわたる探査を行い、その最後に収めた映像を米ワシントン大学水産学部の名誉教授テッド・ピーチ氏に見せた。それから1年以上を経て、この貴重