◇大学進学で即戦力に Ｊリーグが創設された２０年前、大学サッカーの地位は揺らいでいた。「『２２歳のプロデビューなんて遅すぎる』『大学サッカーは選手育成の本流から外れる』とみんなに言われたし、我々も覚悟していた」。全日本大学サッカー連盟技術委員長を務める福岡大の乾真寛監督は振り返る。 だが近年、Ｊリーグクラブのユースや高校から大学進学を希望する選手は増えている。１８歳時点の力ではプロで通用しなくても、大学で実戦を積むことで成長できるとの考えが浸透してきたためだ。関東大学リーグ１部で、多くのＪリーガーを輩出した流通経大の中野雄二監督は「以前はユースや高校に『選手を下さい』と頭を下げに行ったが、今は逆に『子供を預かってほしい』と言われる」と変化を感じている。 現在、日本のプロサッカーを支えているのは大学出身者になりつつある。Ｊリーグに新加入する選手の半数は大学出身となり、乾監督の調べによるとＪリ

堀越学園は経営悪化が表面化して以降、保護者側に説明会開催を求められても一度も応じたことはない。解散命令の答申という最悪の事態に、同学園が運営する創造学園大などの在籍生や保護者から「卒業や転学はどうなるのか」と不安の声が上がった。 同大創造芸術学部４年の男子学生（２２）は就職先が決まっていない上、卒業できるかも不透明になった。「今後も授業が続く保証はなく卒業に必要な単位を取れるか心配だ。転学先は思いつかない」と肩を落とした。 ４年制の高崎医療技術福祉専門学校に通い、理学療法士の資格取得を目指す３年生の父親（６３）は「１年間の学費は約２００万円で経済的負担は大きい。他の専門学校に転学しても、４年間で卒業できるようにしてほしい。５年通わせる余裕はない」と話した。 在籍生や保護者らは１０年７月、「あしたの会」を結成し、学園理事会に財政状況などの情報開示を求めてきた。 しかし、説明会を開くなど責任あ

近鉄（本社・大阪市天王寺区）は２１日、赤字が続く内部（うつべ）線・八王子線（三重県四日市市）について、鉄路を廃止し、バス専用道として運用する方針を示した。路線存続を求めて近鉄本社を訪れた地元住民との会談で明らかにした。近鉄によると、線路を撤去、舗装してバスを運行させるバス高速輸送システム（ＢＲＴ）方式を想定。約１年前から四日市市に打診していたという。 近鉄の福島博営業企画部長は「黒字路線で赤字路線を支えるのは難しい。持続可能な形態としてＢＲＴを進めたい。運賃や輸送力は維持できる」と述べた。また、同市に初期工事費用やバス車両代など２５億〜３０億円程度の負担を求めていくという。同市自治会連合会の高野健会長は会談で「初めて聞いた。年間３６０万人の乗客をバスで運びきれるのか」と疑問を示した。 両線は近鉄四日市駅を起点に同市内を走り総延長は約７キロ。レール幅の狭い特殊狭軌鉄道として知られる。年間約３

活発化する低気圧と梅雨前線の影響で、九州・山口では１５日夕から激しい雨が降り続き、熊本、鹿児島両県で住宅浸水や崖崩れが相次いだ。熊本市南区城南町藤山の九州自動車道下り線では１６日午前８時５０分ごろ、左側土手が高さ約１１メートル、幅約３０メートルにわたって崩壊し、大型バスが土砂に乗り上げ立ち往生した。約４０人が乗車していたがけがはなかった。 熊本県警によると、大型バスはサッカーＪ２・ロアッソ熊本のユースの選手やスタッフが乗車。鹿児島市内である試合に向かう途中だった。 この他、熊本県水俣市の民家近くで幅約２０メートルにわたって崖崩れが起きたほか、同県八代市では民家計９棟が床下浸水した。同市は６校区２９３０世帯に避難準備情報を出した。また、鹿児島県のまとめでは、出水市、阿久根市、長島町で計１８棟が床上床下浸水した。 一方、ＪＲ九州によると、九州新幹線は１６日午前から正午過ぎにかけ雨量が規制値に達

畑中純さん６２歳（はたなか・じゅん＝漫画家）１３日、腹部大動脈瘤（りゅう）破裂のため死去。葬儀の日取りは未定。喪主は長男元（げん）さん。 代表作「まんだら屋の良太」で８１年に日本漫画家協会優秀賞。ほかに「玄界遊侠伝三郎丸」「愚か者の楽園」「ガキ」など。本紙大阪本社版夕刊の「掌（てのひら）の物語」の挿絵を担当中だった。版画家としても活躍し、東京工芸大学マンガ学科教授を務めていた。

○川崎４−３磐田●（３日・等々力） 試合後も、川崎ＭＦ中村の気持ちの高ぶりは収まらなかった。「あまりにも練習通り過ぎて、ちょっとすごい。ああいうスルーパスをいつも出したい」 後半１７分に、ＦＷ矢島へ通して４点目を生んだスルーパス。中村は右サイドで田中裕とリターンパスをかわすと、前線の矢島へ狙いすました長めのパス。ボールはぬれた芝生の上を走り、まるでボール自身に意図があるかのように、ＤＦの背後をうかがう矢島にぴたりと合った。 風間新監督が練習を見るようになってまだ約１週間。中村は「正確さが一番速い」と言われているという。相手の圧力をかわそうとスピードを追求してミスをするよりも、正確なボールコントロールからのパスが、結局は速さを生む。練習で取り組んでいるこうした「正確性」が早速、答えとして出て「自分で驚いている」と中村。 矢島の得点シーンでの動きも、風間監督から教えられている通りだと矢島は話す

３１日午前２時２０分ごろ、東京都中央区勝どき３の１０階建てマンション「ヴェラハイツ勝どき」６階のフリーライター、川勝正幸さん（５５）方から出火し、約６０平方メートルのうち約１５平方メートルを焼いた。室内から川勝さんが救出されたが、間もなく死亡した。警視庁月島署は室内から出火したとみて調べている。 月島署によると、川勝さんは１人暮らし。ベッド周辺の燃え方が激しかったという。川勝さんはサブカルチャーに関する著作を発表していた。【伊澤拓也】

◇先輩たちが五輪へ 東日本大震災で、重く沈んだムードに包まれた日本。そこに一筋の光を差し込んだのが、サッカー女子ワールドカップで初優勝を果たした日本代表「なでしこジャパン」だった。メンバーには県内出身者らが９人を数え、神奈川は「女子サッカー王国」とも呼ばれる。その「源流」とも言えるクラブチームが、横須賀にある。なでしこの主力３人を育てた「横須賀シーガルズ」。オリンピックイヤーの１２年、再び頂点を目指すなでしこたちは、どう育てられたのか。チームの歴史をたどりながら、女子サッカー界の未来を見つめる。【倉岡一樹、宗岡敬介】 ◇「エリート集団とは違う」 ◇ＯＧに大野忍、近賀ゆかり、矢野喬子 寒風吹きすさぶ師走の週末。およそ５０人の女性が、コート３面を使い、ひたすらサッカーボールを追いかけている。 横須賀市の横須賀フットサルクラブ。同市久里浜地区を中心に活動するサッカークラブチーム「横須賀シーガルズ