テロリストによる誘拐の身代金相場は一人10億円らしいが、ここでもし日本国がその10倍払ったら、今後日本人はますます危険にさらされることでしょう・・・というので思い出したのが、昨年夏にパリの日本領事館に置いてあった「海外安全 虎の巻」なる外務省発行の冊子である。 日本人観光客が海外で出会いがちな犯罪の手口が明快・簡潔・網羅的にまとめてある。読む側にとってわかりやすいこうしたまとめ方は日本人が極めて得意とするところだが、その力が遺憾無く発揮されている。(アメリカ人が作ると「冗長・超大・分析的」になりがち。) して注目すべきは「虎の巻」の第3章、ケーススタディ集。100近い「犯罪ケース」やそのバリエーションが40ページほどにまとめてあり、これはそのまま「対日本人犯罪マニュアル」として世界の犯罪者が重宝しそうな内容となっている。 例えば、初級犯罪者向けとしては、「窃盗手口ケース1『車上荒らし』」の