春と秋、年2回行われる高校の球技大会。 私がいた学校では男子2種目、女子2種目開催される。 開催種目は都度全校生徒による投票で決められるが、 通例として、男子のサッカーはほぼほぼ確定で、 残り1種目を何にするか、という出来レースであった。 運動神経は可もなく不可もなく、という程度だった私は、 どんなスポーツも人並みにはできた。 しかし、小さい頃からサッカーというスポーツだけはどうしても苦手であった。 「蹴る」という才能が皆無だったのだろう。 父親がサッカー経験者だったので、 練習をしてこなかったわけではなかったが、一向に上達する気配もなく、 暇な時に家の前で壁に向かって蹴っていたサッカーボールも、 中学に上がる頃にはほこりをかぶり、 いつからか体育の授業がサッカーと聞くだけで、 苦手意識からなんとなく気落ちするようになっていた。 その時の種目はサッカーとバスケだった。 バスケ経験者を多数擁