結果はつぎのように読める。 移行係数の減少は,カリウムの施肥量が多いほど顕著である。 EMたい肥による移行係数の減少は対照と比較してかなり大きいが,施肥量が4.4倍もあるので,より効果が高いとは言い難い。むしろ低いかもしれないという程度である。 微粉ハイポネックスは対照と比較して施肥量が同程度であるが,移行係数には若干の改善がみられる EMたい肥による移行係数の減少は囲炉裏灰とほぼ同等であるが,そのためのカリウムの施肥量は囲炉裏灰の 2.4倍を要する。 なお,効果の評価を細かく解釈することは難しい。植物によるカリウム取り込みの「ついでに」セシウムが取り込まれる様子については,沢山の研究がなされているが,それについて言及することは,ここでの議論に必要ではない。 この報告については端的に言って,カリウムを肥料として多く施すほどセシウムの取り込みは抑制されるという定性的な結論が得られた,という程