[9日 ロイター] - 先月のオバマ米大統領の訪日は、表面的には、あらゆる面で日本の共感を得る結果となった。日中間の地政学的対立で最大の火種である尖閣諸島(中国名・釣魚島)について、オバマ氏は米大統領として初めて、日米安全保障条約の適用対象だと明言。また、両国首脳は環太平洋連携協定(TPP)交渉についても、キーマイルストーン(重要な節目)を画したと発表した。 5月9日、国際政治学者イアン・ブレマーは、中国が急速に影響力を拡大する中、日本は地政学的に差し迫ったポジションに陥っているが、まだ選択肢が残されていると指摘する。写真はブリュッセルで会見する安倍首相。7日撮影(2014年 ロイター/Yves Herman) しかし、大統領訪日の成果は見掛けほど素晴らしいものではなかった。尖閣諸島に関する発言は従来の政策を改めて表明したに過ぎない。TPP交渉でも「キーマイルストーン」が具体的に何を示すか