仲春はゆっくりと通り過ぎる 寝て起きたら3月である。今日の東京の最高気温は20度を超えている。正月のインフルエンザが完治して、これでやっと健康で文化的な本年度を始められるぞ、と意気込んだのも束の間、今度は原因不明の高熱を出して1週間寝込んだ。 脳がグツグツ煮える音が聴こえそうなほど…
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先日の文学フリマで購入したもののうちの一つ。吉田アミ氏による個人誌で、しょぼい技術と端末で撮ったのでこういうケバい色になったが、実際はもっとオレンジ色の地に黒い文字というシンプルなものだ。 構成としては最初に五つのインタヴューが並べられ、その後に『ユリイカ』や『オトナアニメ』、あるいはソクーロフや西川美和氏の映画のオフィシャル・ブックやパンフレットに収められた文章と書き下ろされた「<サマースプリング>その後のお話」といった散文が収められている。これまでの吉田氏の辿ってきた軌跡の一つが、こうして纏まった文章として読めるのは嬉しいことだ。 例によっていい加減な言及になってしまうのだけど、この冊子に纏められた文章を読んでいて連想したのが例えば橋本治氏の評論だった、と書けば驚く人もいるだろうか。少なくとも文章を読む限りでは橋本氏のことに関しては名前すら書かれることがない吉田氏の文章から、よ
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