【香港=吉田健一、上海=蒔田一彦】中国で鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)の感染が拡大する中、共産党宣伝部門が国内メディアに独自報道を禁止し、報道統制を強化していることがわかった。 複数の中国メディア関係者が5日、読売新聞に明らかにした。それによると、メディア統制を担う党宣伝部門は3日、独自取材に基づく、感染源の報道禁止を通達。翌4日には、鳥インフルエンザ報道では国営新華社通信の記事か、上海市など各地方政府が発表するメディア向け共通原稿を使うよう追加通達したという。 別の関係者は「社会不安の拡大を防ぐための措置とみられる」と指摘。感染者の家族らへの直接取材に基づく独自の記事を掲載してきた一部中国紙も、4日以降、新華社電を使った紙面作りに変化している。