ニートという言葉は2004年から日本で使われ始め、あっという間に社会問題としての認識が広がり、いまや、小学生でも知っています。仕事をせず、学校にも行かず、求職活動もしていないという完全なマイナスイメージです。うちの塾の生徒の中には、『フリーター・ニートにだけはなりたくない!したくない』という生徒・ご父母も多いです。 本書は、実際にこの現象の分析と、危機感をあおろうとする言説の背景にあるものを、実に綿密に調査しています。 まず、現在、『 未成年の凶悪犯罪は増えていない 』 ということはご存知でしょうか。これは 犯罪統計 を見ればすぐに分かりますし、本書に限らず、何人もの識者が、そのことをずっと指摘し続けています。(私の記憶では、宮台真司氏や村上龍氏とか) ところが、なぜか不安をあおる報道ばかりが続くために、ありもしない “少年犯罪の増加・凶悪化” を信じこんでしまいます。なぜでしょうか。 そ