防水材に使われるウレタン樹脂の原料で、発がん性のある化学物質「MOCA(モカ)」を扱っていた工場など全国7カ所の事業所で、在職中の労働者と退職者計17人がぼうこうがんを発症していたことが25日、厚生労働省の調査で分かった。同省は都道府県労働局や業界団体を通じ、モカを扱う事業所に暴露防止措置や健康管理を徹底させる。発症者に労災制度を案内することも検討している。 2016年9月、旧イハラケミカル工業(現クミアイ化学工業)の静岡工場で、モカを扱っていた従業員と退職者5人のぼうこうがん発症が判明。厚労省がモカを扱う工場など全国約540の事業所を対象に調べていた。