米Googleの年間60億ドル規模の広告事業が,危険にさらされている。広告を見ているのが生身の人間であると保証できないからだ。この問題は「クリック詐欺」と呼ばれ,基本的には2種類に分類できる。 ネットワーク・クリック詐欺の場合,まず自分のWebサイトに「GoogleAds」による広告を掲載する。誰かがこの広告をクリックすると,そのたびにGoogleはWebサイトの運営者に広告掲載料を支払う。仮に,広告を掲載した人物が自分で広告を何度もクリックしたり,繰り返しクリックするプログラムを書いたりしたら,詐欺を働いたことになる。この種の詐欺はすぐGoogleに見つかってしまうので,知恵のあるネットワーク・クリック詐欺師は,異なるIPアドレスのパソコンからクリックしているかのように装ったり,他人のパソコンにトロイの木馬を仕込んで偽のクリックを実行させたりする。 もう一種類のクリック詐欺は,企業間の競