「子どものことは愛しているが、母親になったことを後悔している」。こんな考え方に触れたとき、何を感じるだろう? イスラエルの社会学者オルナ・ドーナトの研究報告書『母親になって後悔してる(Regretting Motherhood:A Study)』は、世界中で激しい議論を巻き起こした。昨年日本でも翻訳出版され、波紋は静かに広がり続けている。なぜこのテーマは多くの人々の感情を揺さぶるのか。“異次元の”少子化対策に迷走する日本において、この研究は何をもたらすのか。3月8日の国際女性デーに合わせ、テルアビブ在住のドーナトにオンラインで話を聞いた。(聞き手:山野井春絵/通訳:鹿田昌美/撮影:殿村誠士/構成:安藤智彦/Yahoo!ニュース オリジナル特集編集部) ドーナトの研究対象になった女性たちの後悔は、「子ども」そのものに向けられるのではなく、「母親になったこと」にある。独立した人間として子どもた