哲学は「本質」を洞察することで、その問題を解き明かすための「考え方」を見出す営みだ。2500年の歴史を持つ哲学は、できるだけ誰もが納得できるような考えに到達するための、力強いさまざまな思考法に満ちている。哲学的な思考法のエッセンスを、初学者にも理解できるよう伝えるスリリングな連載第1回。 哲学は役に立つ テツガクと聞くと、多くの人は、実生活に大して役に立たない、何だかよく分からない難しそうなことを考えているもの、というイメージを持つんじゃないかと思う。 たしかに、「私ってなんだろう?」とか、「時間ってなんだろう?」「愛ってなんだろう?」「言葉ってなんだろう?」「生きる意味ってなんだろう?」とかいったいかにも“哲学的”な問いは、それだけ聞くとあんまり“役に立つ”感じはしない。 哲学者と呼ばれる人たちも、そうしたさまざまな事がらの「そもそも」を、どこまでも考えずにはいられない人間だ。だからまと
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