こどもへの性暴力を防ぐため、精神科医の福井裕輝氏が設立した民間団体、性障害専門医療センター(SOMEC)は、こどもへの性暴力加害者500人以上を治療してきた。福井医師によると、こどもに性的行為をしたり、こどもに対して性的に興奮する空想を抱いたりする「小児性愛障害」は依存症の一種で、「人格が優れている」などとは関係なく、誰でもなりうるという。加害者治療の実態とは…福井医師に聞いた。 ■犯罪行動を止める力を育てるトレーニングこどもや大人への性暴力の加害者の治療には、カウンセリングの一種の認知行動療法と薬物療法(主としてホルモン療法)があります。 まず認知行動療法ですが、犯罪が起きるには、いろいろな要素が絡んでいて、人は、害になるような要素と(犯罪行動の)歯止めにできるような要素、いいところ、悪いところ、両方持っているんです。その悪い要素、つまりその個人が抱えている問題などをできるだけなくすよう