全国初の受動喫煙防止条例施行を4月1日に控えた神奈川県では、オフィス街で屋外の灰皿設置場所を探す喫煙者の姿が目立っている。複数の飲食店チェーンが前倒しで県内全席禁煙を実施する一方、条例の対象外の職場でも禁煙化が進んだとの指摘もある。受動喫煙対策の意識の高まりを背景に喫煙場所が減り、灰皿を求めて漂流する喫煙者たちの姿を追った。(寺田理恵、黒田悠希) 横浜市中区のオフィス街、関内地区。昼下がりのドラッグストアの人だかりは店舗前に置かれた灰皿目当ての喫煙者だ。男性会社員(36)は「会社も禁煙、昼食場所も禁煙。灰皿を見ると、ほっとして吸いたくなる」と話す。 神奈川県では受動喫煙防止条例の施行で、官公庁や百貨店、銀行など公共性の高い施設が禁煙となる。飲食店も小規模店を除き禁煙か分煙を選択する。県内では「マクドナルド」「ロイヤルホスト」といったチェーン店が前倒しで全席禁煙とし、昼食時に喫煙できる場所は