英語でSaint Petersburg、日本語でサンクトペテルブルクと呼ばれるロシア西部の都市は、かつて何度か名前を変えた。 現在の名前は、都市を創設した皇帝ピョートル1世が自分と同名の聖人ペテロ(Saint Peter)にちなんで付けたものだ。1914年までは、ロシアの首都として隣接するヨーロッパ諸国との交流が盛んな国際的都市だった。だが、第一次世界大戦でドイツとの交戦が始まると、ドイツ式の呼び名からロシア式の 「Peterograd(ペテログラード)」に変更された。そして1917年の革命で社会主義国になったロシアでは、貴族階級が支配していた歴史への否定的な態度が顕著になり、指導者レーニンが亡くなった後、ペテログラードは「 Leningrad(レニングラード)」と改名された。 第二次世界大戦後も冷戦中はレニングラードという名前のままだったが、ソビエト連邦が崩壊して初めての大統領選が行われ