東京電力福島第1原発事故の影響で福島県内の取引先が避難、廃業するなどして間接的な損害を受けたとして、宮城県内の5事業者が東電に計約3000万円の損害賠償を求めた訴訟は29日、仙台地裁(高取真理子裁判長)で4社の和解が成立した。東電が賠償金計約1250万円を支払う。1事業者は和解せず、判決を選んだ。間接損害を受けた企業は全国に数多くあり、賠償を求める動きが広がる可能性がある。 仙台市内で記者会見した菊地修弁護団長は「東電は間接損害について事業者を突き放してきた。今回の和解は原発事故の損害賠償に新たな道筋を付けた。請求を諦めている全国の事業者にとって朗報となる」と意義を強調した。 東電は2011年8月に原子力損害賠償紛争審査会が示した中間指針を基に、間接被害の賠償は「取引に代替性がない場合」などに限定。売り上げ全体に占める割合が相当高く、穴埋めが事実上困難な場合のみ賠償に応じてきた。 和