肥満と同じくらいアメリカ人を悩ませる「情報過多」 2009年の夏、アメリカのニューヨークで、とある人物のキャリアが一瞬にして水の泡となった。 マルコム・スミスは民主党所属のニューヨーク州選出上院議員で、多数党院内総務を務めていた。ニューヨーク州の政界で大きな影響力を持つ大富豪トーマス・ゴリサーノが彼に話しかけたとき、スミスは携帯でメールをチェックしていたという。 スミスに会うためわざわざアルバニーまで足を運んでいたゴリサーノは、怒り狂った。「私は州の財源節約策を説くため400km移動してきたのに、奴はオフィスに入ってくるなり携帯をいじり始めた。頭にきたよ」と彼は報道陣に語った。 怒り心頭のゴリサーノは共和党に出向き、スミスを議員の座から引きずり降ろす手伝いをしたいと申し出た。代わりに、せめて数分はこちらの話に注意を払ってくれる人物を擁立できないかというのだ。野党はすぐに造反工作を仕掛け、民