【カイロ=田井中雅人】昨年12月にイラクを訪問したブッシュ米大統領(当時)に靴を投げつけたイラク人記者に対する公判が19日、バグダッドの中央刑事裁判所で開かれた。朝日新聞のイラク人助手によると、法廷でムンタゼル記者(29)は、親類から手渡されたイラク国旗をあしらったスカーフにキスをして、肩に羽織った。 記者会見中のブッシュ氏に靴をぬいで投げつけた行為について、同記者は「攻撃しようと思っていたわけではないが、私の目にはブッシュが、何か黒いもののように映った」と法廷で述べた。 事前に米国の治安要員らからイラク人記者は記者会見場に入らないよう求められたり、無礼な身体検査をされたりしたことに反発。ブッシュ氏が会見で「イラクでの勝利と成果」を語り始めたとき、多くの無実のイラク人が殺されたことを思い出し感情を抑えきれなくなったという。 「外国の大統領への暴行」の罪で最高15年の禁固刑判決を受ける