コンサルティング会社にいたころは、会社として「読書」が推奨されていた。 推奨、というと柔らかく聞こえるが、もちろん、上司が薦めた本は一読しておくのが半ば義務となっていた。 コンサルティング会社というのは、そういう所だ。 なお、形式上の評価項目には、そのような項目はなかった。 が、勉強会などで「読んでいない」ことが発覚すると、「知識不足」「勉強不足」と周りから認識され、暗黙の評価が下がってしまうことが予想された。 ただ、上司の名誉のために言っておくが、漫画や小説はリストになかったが、基本的に上司が薦めてくる本は良い本がほとんどで、個人的には、外れはほとんどなかった。 会計、人事、戦略、品質管理、システム化、マーケティング…… 仕事に必要な知識は、現場経験や社内のノウハウだけではなく、読書からもかなり仕入れることができたため、上司がそうした本をリサーチし、薦めてくれるのは、むしろありがたかった