多様な考え方、立場の人たちに対し、企業システムの複雑な情報を説明する機会の多い敏腕ITエンジニアの「説明の極意」を紹介してきた本連載。最終回は少し趣向を変え、多くの受験生を引き付けてやまないカリスマ塾講師に説明の極意を聞いた。登場するのは、大学受験予備校大手の東進ハイスクールで数学を教える志田晶さん。ビジネスの場面でもすぐ役立つスキルを披露してくれた。 数学の塾講師にとって最も重要なスキルは、数学の能力ではない。数学の能力は一定水準を超えれば、あとはいくら高めても、いい授業ができるかどうかにあまり関係しない。ものをいうのは説明力だ。説明力を磨くほど、分かりやすく引きつけられる授業ができるようになる。そのために日々試行錯誤しながら、自分の説明力を磨いてきた。その工夫を三つ紹介しよう。 ■間の取り方で、話はわかりやすくなる 一つめは、間の取り方である。理解しやすい話し方をするには、適度な間を空