ベストセラー作品と名高いけれども、武器っていう仰々しさから少しとっつきにくさを受けてたけど、各章ごとのテーマを具体例を散りばめながら論理を深めていってくれており飽きさせない構成で文量が多いのにも関わらずスラスラ楽しめた。 著者の主張が述べられる最終章の悪どい承認誘導の実践者に対して徹底抗戦すべきちおう悲痛な訴えは、現にどれほど多くの被害者がいるかを物語っており、自分もそのアプローチにハメられているのだろうという得も言われぬ恐怖を感じた。各々の対処法に共通する点は、「カチ、サー」の反応を一旦俯瞰して、その気持ちや判断と実際の対象物が合っているか、冷静に、内からの警告サインに耳を傾ける余裕を持って、判断することが大切なのだと、そう理解しておこう。でも、いい意味で自分の生活に応用できるところもあるし、少し周りを見渡すと影響力の武器が溢れているんだろうと意識してみたいと思います。