夫は長年、職場中心で生きてきた。定年退職でやっと会社勤めから解放され、「これからは夫婦二人で楽しい老後を」と思った矢先、妻が心身の不調を訴え始めた――。夫の言動がストレス要因となり、妻が体調不良になることを“ 夫源病 ( ふげんびょう ) ”と呼ぶ。妻がそのような状態に陥った時、夫は何をしたらいいのだろうか。『妻の病気の9割は夫がつくる』などの著書があり、“夫源病”の命名者でもある石蔵文信教授(循環器内科医)に解説してもらった。 毎日昼食作ると妻がうつになる? 「昼食うつ病」という言葉を聞いたことがあるだろうか? これは主に夫の定年後に起こる現象である。 たとえば、夫が現役のサラリーマンであれば、平日に家で昼食をとることはまれだろう。一方、妻は子育てが終わっていれば、夫が仕事に行っている間、自由に時間を使うことができる。 ひと昔前だったら専業主婦の多くは家事で一日中忙しかったため、定年後の