語り手が「わたしたち」という奇妙なスタイルの小説だが、読みやすいし面白いしで久々に小説に夢中になって、あっという間に読み終えた。そして後述するが、読み終えてからも面白いのであった。 最愛の子ども 作者: 松浦理英子 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2017/04/26 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (11件) を見る と言っても堅苦しい、難解な実験小説ではなくて、普段あまり小説とか純文学を読みなれていない人でもスラスラ読めるような、ごくシンプルな文章と筋立てで、ハイライトの場面だけを取り上げると少女マンガ的とすら言えるような物語になっている。また、最後の段階になってやっと明らかになる事柄もいくつかあるので、ちゃんと「終った」という感じで終わりになる点も嬉しい(しばしば純文学作家はその点を軽視するので)。 話を戻して「わたしたち」に関して言うと、3人の主要人物の周辺にいる
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