東尋坊で自殺防止のパトロールをする茂幸雄さん(右)ら。「未成年者の自殺の動機は抗議」と話す=2017年12月、福井県坂井市 福井県外のある高校3年生男子は、クラス全員から「体臭が強い。近寄るな」と言われた。廊下を歩くと、他の生徒は端に寄り、かに歩きのようにしてすれ違った。担任に相談すると「朝シャン(朝の洗髪)して来い」と逆に注意された。生徒は毎日“朝シャン”をしていた。いじめられていることを父親に話すと「男のくせに、何だ」と怒鳴られた。どこにも逃げ場はなかった。 2013年11月、身を投げるために坂井市の東尋坊にやって来た。雨が降る中、東屋で休んでいるところを、自殺防止活動をするNPO法人「心に響く文集・編集局」のスタッフに保護された。 2学期が始まったばかりの昨年8月31日午後6時半ごろ、高校2年生の女子生徒は東尋坊の岩場の先端に座り込んでいた。「宿題が提出できず恥ずかしい思いをした」。