JR福知山線脱線事故が起きた兵庫県尼崎市の現場カーブで、快速電車が速度超過で緊急停止しながら、JR西日本が公表していなかったことが27日、明らかになった。事故の遺族らは、同社への不信感を募らせる半面、改めて社員の意識向上を願う声も。専門家からは「きちんと社員教育につなげるべき」との意見が上がった。 「幹部は安全対策に取り組んでいるのだろうが、現場の社員に意識が足りない」。事故で妻と妹を亡くした浅野弥(や)三(さ)一(かず)さん(68)=同県宝塚市=は、快速電車の運転士の安全意識を問題視。次女が負傷した三井ハルコさん(54)=同県川西市=も「現場の人は、乗客すべての命を預かっていることを意識してほしい。JR西は対応策を考えてほしい」と訴えた。 また、長男を亡くした木下廣史さん(52)=横浜市鶴見区=は「都合のいいことだけ公表し、後ろめたいことは隠すJR西にはあきれて言葉が出ない」と憤慨。長女