うかつにも見過ごしていた。重大な法案が昨秋、国会で成立していた。タクシー運賃引き上げの特別措置法で、27日に施行されたのだった。大阪の「500円タクシー」など格安業者は強制的に値上げさせられる。(フジサンケイビジネスアイ) 筆者が怒りを禁じ得ないのは、お上が民間の自由な経済活動に口をはさむのをよしとする政治の風潮である。これに限らない。政府は4月からの消費増税分の販売価格への転嫁を義務づけ、官僚たちは業界指導に嬉々としている。 運賃規制は東京23区と大阪市のほか、札幌、仙台、福岡などの地方の中核都市のタクシーを対象に、国が運賃の上限と下限を定め、下限よりも安い運賃のタクシーは走れなくする。4月の消費税増税後の大阪市の初乗り下限運賃は660円で、500円タクシーが姿を消す。特別措置法ではおまけに、タクシーの「供給過剰地域」を指定して、台数を強制的に減らす。 政府は小泉純一郎政権時代の2002