廃品回収車が無料で引き取った製品の多くが、アジア諸国へ輸出されると見られているとは知らなかった(註1)。 日本ではペットボトルも、500ミリリットルの容器(約30グラム)にして年間200億本分(!)も作られているが、廃ペットボトルの半分近くが中国へと輸出されているのも知らなかった(註2)。 我々が新商品を見たり作ったりするのと同じ熱心さで、ゴミのことも見ていれば、大量生産・大量消費を肯定するなんてことにはならないはずなのだ。 例えば、中国の香港に近い沿海部に貴嶼(グイユ)という町がある。 ここは世界最大の電子電気ゴミ(E‐waste)の処分場になっていて、手作業でテレビやパソコンや携帯電話が分解され、カネ目の金属や部品が取り出されて、残骸は野焼き・野積みされることも多い。環境と健康への害は深刻で、検査を受けたここの子どもの8割以上が鉛中毒になっていた。 さらに日本ではほとんど知られていない