パイオニアまで救うのか? 問題山積の公的資金による資本増強 (1) - 09/06/09 | 12:20 初夏を思わせる明るい日差しの下、工場はひっそり静まり返っていた。時折ゲートを走り抜けるのは宅配便など出入り業者の車両ばかり。製品出荷のトラックは3時間で1度しか見かけなかった。 静岡県袋井市に立地するパイオニアのプラズマテレビ工場。プラズマ事業低迷で2008年春から山梨、鹿児島と関連工場を相次ぎ閉鎖したが、静岡だけは最後のテレビ工場として組み立て工程を続けてきた。だが09年2月、パイオニアがついにプラズマ完全撤退を発表したのを受け、静岡工場も閉鎖となる見通しだ。 段階的なリストラを経ながらも、静岡工場ではまだ正社員を含む約300人が働く。勤務歴19年の女性社員はため息をつく。「もっと早く工場閉鎖が決まっていれば、再就職の口を探せたかもしれない。でも今では見つかるかどうか不安」。地