既に旧聞に属するかも知れないけれど、ヘイトスピーチ規制論について話題になっていたので、少し書いてみる。一連の東氏の議論と、たぶんド真ん中で関係ある話なので。 ⇒革命的非モテ同盟跡地 カントは偉大であるけれど、歴史存在としての人類社会において言論や表現はアプリオリに自由ではない。だから、ヴォルテールの原則は重要なのであって、300年前、カントに30年先んじて生まれたヴォルテールは言論や表現がアプリオリに自由であるとは微塵も考えていなかった。 私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命を賭けて守る。 ヘイトスピーチの問題とは、アプリオリに自由な行為としての言論や表現と、歴史的かつ原理的にもアプリオリではありえない言論/表現の自由を担保する私たちの――かつての村上春樹の言葉を借りるなら――「開かれたサーキット」の両立可能性を問う、市民社会ある限りその臨界として指し示される課題